イヌコミ(inucomi)

補助犬とペットの犬はどう違う?お店で出会ったときの5つの思いこみ

足もとで静かに伏せる、ハーネスや胴着をつけた犬。補助犬とペットの犬の違いを5つの思いこみから確かめ、声をかけてよい相手や愛犬との距離のとり方をまとめます。

公開日 約 6 分で読めます著者 イヌコミ編集部
補助犬とペットの犬はどう違う?お店で出会ったときの5つの思いこみ|犬連れOKのカフェの床で、すべりにくいマットに静かに伏せる柴犬

この記事でわかること

  • 補助犬は盲導犬・介助犬・聴導犬の3種類で、ハーネスや胴着の表示が目印です
  • 不特定多数の人が使う飲食店などは、犬連れOKかどうかに関係なく、補助犬の同伴を原則として拒めません
  • 補助犬には話しかけず触らず、困っていそうなら使用者に声をかけます
目次

犬連れOKのカフェで、ハーネスや胴着をつけた犬が、足もとで静かに伏せているのを見かけることがあります。

つい愛犬と同じように声をかけたくなりますが、その犬は仕事中の補助犬かもしれません。

補助犬は、身体障害者補助犬法で決められた盲導犬・介助犬・聴導犬のことです。

ペットの犬が入れるかどうかは、お店ごとのルールで決まります(編集部の整理)。

一方で、不特定多数の人が使うお店は、ペット不可でも補助犬の同伴を原則として拒めないと法律で決められています。

本記事では、犬と暮らす人が抱きがちな5つの思いこみを、厚生労働省や自治体の資料(2026年10月時点)で確かめます。

読み終えるころには、お店で補助犬に出会ったとき、自分と愛犬がどう動けばよいかが決まります。

思いこみ1「補助犬は盲導犬のこと」→ 盲導犬・介助犬・聴導犬の3種類

補助犬は、盲導犬だけではありません。

身体障害者補助犬法は、盲導犬・介助犬・聴導犬の3つを「身体障害者補助犬」と定めています。

政府広報オンラインは、それぞれの仕事を次のように説明しています。

補助犬の3つの種類と、おもな仕事(政府広報オンラインの説明をもとに編集部がまとめたもの)
種類いっしょに暮らす人おもな仕事
盲導犬目に障害のある人交差点や段差で止まり、障害物や車の接近を知らせて、安全に歩けるよう手伝う
介助犬体に障害のある人落とした物を拾う、ドアを開け閉めするなど、日常の動作を手伝う
聴導犬耳に障害のある人ブザー音や電話の呼び出し音など、暮らしに必要な音を知らせる

厚生労働省の集計(2026年4月現在)では、盲導犬が744頭、介助犬が54頭、聴導犬が51頭働いています。

介助犬と聴導犬の頭数は、盲導犬よりずっと少なくなっています。

盲導犬のほかにも補助犬がいると知っておくと、お店で見かけたときに気づきやすくなります。

思いこみ2「よくしつけた犬なら補助犬と同じ」→ 認定と表示がある犬だけ

ペットの犬は、どんなによくしつけていても、補助犬と同じ扱いにはなりません。

補助犬は、身体障害者補助犬法にもとづいて認定された犬で、特別な訓練を受けています。

お店などを利用するとき、補助犬の使用者(補助犬といっしょに暮らす人)は、補助犬であることを示す表示を犬につけるよう、法律で決められています。

衛生上の心配がないことを示す書類を持ち、求められたら見せることも決められています。

盲導犬は白か黄色のハーネスに、介助犬と聴導犬は胴着に、種類や認定番号などの表示をつけています。

厚生労働省は、補助犬だと言っても決められた表示をしていない場合、お店に受け入れの義務はないと説明しています。

前橋市の補助犬Q&Aは、セラピードッグも補助犬ではないとしています。

ペットの犬は、お店ごとのルールにしたがいます(編集部の整理)。

思いこみ3「補助犬が入れるのは犬連れOKの店だけ」→ ペット不可の店でも原則として拒めない

不特定多数の人が使うお店は、犬連れOKかどうかに関係なく、補助犬の同伴を原則として拒めません。

身体障害者補助犬法の第9条が、そう定めています。

厚生労働省のサイトに載っている飲食店向けのガイドブックも、受け入れは義務になっていると説明しています。

ただし、施設やほかの利用者に著しい損害が生じるおそれがあるなど、やむを得ない理由があるときは例外とされています。

同じガイドブックは、補助犬が飲食店に入ることを禁じる決まりは、食品衛生法にも自治体の条例にもないとしています。

使用者は、獣医師の指導を受けながら、補助犬の体調や衛生、行動を管理しています。

「ペット不可」のお店で補助犬を見かけても、別の決まりで受け入れられていると知っておけば、驚かずにすみます。

「ほじょ犬マーク」は受け入れ店の目印ではありません

ポスターやステッカーなどで見かける「ほじょ犬マーク」は、身体障害者補助犬法を知ってもらうための啓発のマークです。

厚生労働省は、「補助犬を同伴できる店舗であることを示すためのマーク」という説明を、適切でない例に挙げています。

マークがないお店でも、補助犬の受け入れについての法律の決まりは変わりません。

思いこみ4「かわいいから声をかけてよい」→ 犬ではなく人に声をかける

仕事中の補助犬には、話しかける、じっと見つめる、触るといった、気を引くことをしないのがマナーです。

厚生労働省のリーフレットは、その理由を、補助犬にとって使用者の指示がとても大切だからと説明しています。

食べ物をあげないことも求められています。

大阪府は、食べ物に加えて水もあげないよう呼びかけています。

カフェで愛犬に水やおやつをあげるときも、補助犬のほうには差し出さないようにしましょう。

一方で、声をかけてよい相手は使用者です。

厚生労働省は、使用者が困っていそうなときは「何かお手伝いしましょうか?」などの声かけや筆談で伝えてほしいとしています。

犬ではなく人に話しかける、と覚えておきましょう。

思いこみ5「犬どうしならあいさつさせてよい」→ 愛犬は近づけず足もとで落ち着かせる

愛犬を補助犬に近づけて、あいさつさせるのは控えましょう。

厚生労働省は、補助犬の気を引く行為を避けるよう呼びかけています。

愛犬がにおいを嗅ぎに行くことも気を引くことになりかねない、と編集部は考えています。

島根県のサイトにある盲導犬ガイドには、ペットを散歩させている人へのお願いが載っています。

そこには「犬を連れていることを知らせてください」とあります。

お店で近くの席になったときも、使用者に「犬を連れています」と伝えましょう。

聴導犬の使用者には、メモや身ぶりなど、伝わる方法を選びましょう。

身体障害者補助犬法は使用者に、お店などを使うときは補助犬が他人に迷惑をかけないよう、行動を十分管理することを求めています。

飼い主に向けた決まりではありませんが、愛犬のリードを短めに持ち、足もとで落ち着かせておくのは飼い主の役目です。

補助犬とペットの犬の違いを早見表で

補助犬とペットの犬は、決まりのもと、お店の受け入れ、出会ったときの接し方が違います。

おでかけの前に、表でひととおり確かめておくと安心です。

補助犬とペットの犬の違い(編集部まとめ)
見るところ補助犬ペットの犬
決まりのもと身体障害者補助犬法お店ごとの犬連れのルール
お店の受け入れ不特定多数の人が使うお店は、原則として拒めない受け入れるかどうかは、お店が決める
お店で必要なものハーネスや胴着の表示(書類は、お店の人などから求められたときに見せる)お店ごとに求められるもの(お店のページの「ワンちゃんルール」欄で事前に確かめる)
出会ったときの接し方話しかけない・見つめない・触らない・食べ物や水をあげない触る前に、飼い主にひと声かける
体調と衛生使用者が獣医師の指導を受けながら管理する飼い主が管理する

お店で補助犬に出会ったときは、次の順で動きましょう。

  1. 愛犬のリードを短めに持ち、補助犬に近づけない
  2. 補助犬には話しかけず、じっと見つめず、触らない
  3. 近くの席になったら、使用者に「犬を連れています」と伝える(声やメモなど)
  4. 使用者が困っていそうなら「何かお手伝いしましょうか?」と声をかける

補助犬に出会ったときのふるまいはイヌコミのクイズ「まちの同伴マナー検定 実践」で、犬連れの基本は「おでかけマナー検定 入門」で確かめられます。

海外の決まりは「海外の犬連れ外食ルールを比べる 米国・英国・香港と日本の違い」で紹介しています。

次のおでかけには、犬連れOKのカフェや席が広いお店、店内OKのお店から、愛犬が足もとで落ち着いて過ごせるお店を選んでみましょう。

イヌコミでお店をさがす

この記事に出てきたような場面に合うお店を、条件からさがしてみてください。

条件を指定してさがす

クイズで確かめる

よくある質問

補助犬はどうやって見分けますか

盲導犬は白か黄色のハーネスに、介助犬と聴導犬は胴着に、種類や認定番号などの表示をつけています。使用者は法律で決められた書類も持ち、お店の人などから求められたときに見せます。

補助犬と同じ店内で、愛犬が近くの席になったらどうすればよいですか

席の決め方はお店に従いましょう。盲導犬ガイドは、ペットを散歩させている人に、犬を連れていることを知らせるよう求めています。店内でも、愛犬は補助犬に近づけず、使用者にひと声伝えると安心です(編集部の考え)。

愛犬が補助犬に吠えたり、近づこうとしたりしたらどうすればよいですか

すぐにリードを短く持ち直して、補助犬から離れましょう。使用者にひと言おわびし、愛犬が落ち着かないときは、席を替えられるかお店の人に相談すると安心です(編集部の提案)。

補助犬は、どうしてペット不可のお店にも入れるのですか

身体障害者補助犬法が、飲食店など不特定多数の人が使う施設に、補助犬の同伴を原則として拒んではならないと定めているためです。使用者は、補助犬の体調や衛生を管理しています。

セラピードッグも補助犬ですか

前橋市の補助犬Q&Aには、セラピードッグは補助犬ではないと書かれています。法律で補助犬と決められているのは、盲導犬・介助犬・聴導犬の3種類です。

出典・参考文献

  1. デジタル庁(e-Gov法令検索)『身体障害者補助犬法(平成十四年法律第四十九号)』(閲覧日 2026-10-17)
  2. 厚生労働省『身体障害者補助犬実働頭数(都道府県別)令和8年4月現在』(閲覧日 2026-10-17)
  3. 厚生労働省『身体障害者補助犬を見かけたら』(閲覧日 2026-10-17)
  4. 前橋市『補助犬についてQ&A』(閲覧日 2026-10-17)
  5. 厚生労働省『身体障害者補助犬の受け入れについて』(閲覧日 2026-10-17)
  6. 厚生労働省(厚生労働科学研究の成果物)『補助犬ユーザー受け入れガイドブック 飲食店編(第1版・令和3年)』(閲覧日 2026-10-17)
  7. 政府広報オンライン(内閣府政府広報室)『「身体障害者補助犬」は体に障害のある人の目や耳や手足となる大切なパートナー。補助犬への理解を深めましょう』(閲覧日 2026-10-17)
  8. 厚生労働省『リーフレット「もっと知ってほじょ犬」(2020年版)』(閲覧日 2026-10-17)
  9. 大阪府『「身体障がい者補助犬」を知っていますか?』(閲覧日 2026-10-17)
  10. 島根ハーネスの会(島根県サイト掲載。協力 日本盲導犬協会・島根県障がい福祉課)『もっと知ってほしい 盲導犬ガイド(2020年10月)』(閲覧日 2026-10-17)
  11. 厚生労働省『「ほじょ犬マーク」とは』(閲覧日 2026-10-17)

記事の内容は公開時点の情報にもとづきます。制度や数値は変わることがあるため、最新の情報は各出典でご確認ください。

健康情報に関するご注意

本コンテンツは一般的な情報提供を目的としたものであり、獣医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。愛犬の健康に不安があるときや異変を感じたときは、動物病院・獣医師にご相談ください。

この記事をシェア