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柴犬の歴史をたどる:天然記念物になった日と名前の3つの説

柴犬が国の天然記念物になったのは1936年12月16日。そのときの解説文には、赤毛の多い小型の犬とあります。日本犬6種の中での位置、名前の由来の説、戦後の立ち直りまで、資料でたしかめられる歴史をたどります。

公開日 約 6 分で読めます著者 イヌコミ編集部
柴犬の歴史をたどる:天然記念物になった日と名前の3つの説|畳の和室で、木の床の間を背におすわりする赤毛の柴犬

この記事でわかること

  • 柴犬は1936年12月16日に国の天然記念物になり、解説文には赤毛の多い小型の犬とあります
  • 日本犬標準の6犬種のうち、小型に分けられるのは柴犬だけです
  • 「柴」の由来には土地・毛色・大きさの3つの説があり、確かなことはわかっていません
目次

国の天然記念物に指定されたとき、柴犬についての解説文は、たった1文でした。

そこには、いまの柴犬にも通じる3つの特徴が書かれています。

この1文を入り口にして、柴犬の歴史をたどってみましょう。

柴犬は、一説では縄文時代から人とくらしてきたともいわれる犬です。

本記事では、文化庁のデータベースや日本犬保存会の解説をもとに、その歩みをたどります。

天然記念物になるまで、日本犬のなかでの位置、名前の由来、戦後の立ち直りの順です。

この記事に出てくることば(文化庁と日本犬保存会の資料をもとに編集部が整理)
ことば意味
天然記念物動物・植物・地質鉱物のうち、日本にとって学術上の価値が高いもの
地域を定めない指定の所在地の欄の書き方。柴犬や秋田犬は、決まった土地に限らない形で指定されている
日本犬保存会日本犬を守るために、1928年にできた団体
日本犬標準保存会が1934年に決めた日本犬の基準。小型・中型・大型の3つに分ける

柴犬が天然記念物になったのは1936年12月16日

柴犬が国の天然記念物になったのは、1936年(昭和11年)12月16日です。

文化庁のデータベースでは、所在地の欄が「地域を定めない」となっています。

つまり、決まった土地に限らず、柴犬という犬種が指定を受けました。

岐阜、長野、富山三縣下其ノ他ニ飼養セラルル小型ノ犬ニシテ概ネ吻部ハ短縮シ赤毛ノモノ多シ

これが、指定のときの解説文です。

いまのことばにすると、岐阜・長野・富山の3つの県などで飼われている小さな犬で、口先はだいたい短く赤毛が多い、という意味です。

むかしの書きことばですが、思いうかぶすがたはいまの柴犬とよく重なります。

赤毛が多いのは、いまも同じ

日本犬保存会の解説(2026年10月時点)では、柴犬は赤毛が多く、全体の80%位が赤毛とされています。

1936年の解説文にある「赤毛ノモノ多シ」は、いまの柴犬にもそのままあてはまります。

指定の前、日本犬は数を減らしていた

柴犬が指定される前、日本犬は少しずつ数を減らしていました。

三重県の資料では、明治時代よりあとに外国の犬が飼われるようになり、日本犬がしだいに少なくなったとしています。

日本犬をのこすために、1928年(昭和3年)には日本犬保存会ができています。

1930年代には、日本犬がつぎつぎと国の指定を受けていきます。

年表にすると、柴犬の指定は秋田犬の5年あとでした。

日本犬と柴犬の年表(文化庁と保存会の資料をもとに編集部がまとめたもの)
年できごと
1928年日本犬保存会ができる
1931年秋田犬が指定される
1934年日本犬標準ができる。甲斐犬・紀州犬・越の犬も指定される
1936年12月16日、柴犬が指定される
1937年いまの四国犬が「土佐犬」の呼び名で指定される
1939年ごろ土佐犬が四国犬と呼ばれるようになる

日本犬6種のうち、小型は柴犬だけ

保存会が決めた日本犬標準では、6つの犬種のうち、小型に分けられるのは柴犬だけです。

この標準は1934年(昭和9年)に、小型・中型・大型の3つに分けてつくられました。

日本犬標準の3つの型(保存会の解説をもとに編集部がまとめたもの)
大きさの型犬種
小型柴犬
中型紀州犬・四国犬・甲斐犬・北海道犬
大型秋田犬

柴犬の標準の体高(地面から肩までの高さ)は、オスが39.5cm、メスが36.5cmです。

体重は、オスが9〜11kg位、メスが7〜9kg位とされています。

この体高の基準は、1934年9月に決められました。

数のうえでも、柴犬は日本犬の中心です。

保存会の解説(2026年10月時点)によると、日本で飼われている日本犬のうち、柴犬は80%位をしめています。

6種のなかで、もっとも古い時代からいる犬種ともされています。

「柴」の由来は、はっきりわかっていない

「柴」という名前がどこから来たのかは、確かなことがわかっていません。

アメリカンケネルクラブ(AKC)の解説は、次の3つの説を紹介しています。

  • 土地の説:柴(しば)は低い雑木のことで、柴のしげる土地で狩りをしたから
  • 毛色の説:毛の色が、秋の柴と同じ色だから
  • 大きさの説:「柴」には、いまは使われない「小さい」という意味があったから

保存会は、柴犬という呼び名は中部山岳地方で使われたものだと説明しています。

3つの説は、どれも柴犬がくらした土地や見た目とむすびついています。

どれが正しいのかを考えながら、うちの子の毛の色や大きさをながめてみるのも、楽しいものです。

もとは鳥や小さな動物を追う狩猟犬だった

柴犬は、もともと鳥や小さな動物をとらえるための狩猟犬として飼われていました。

保存会によると、人とくらしはじめたのは縄文時代とも弥生時代ともいわれます。

AKCの解説も、縄文人が住んだ遺跡から柴犬ほどの大きさの犬の骨が見つかっていると紹介しています。

地方ごとに、系統のちがいもありました。

保存会は、おもな系統が3つあり、「山陰柴」「信州柴」「美濃柴」など地域ごとの呼び名で発展した時期もあったとしています。

美濃柴は、いまも保存の活動が続く

岐阜県の発表資料は、美濃柴犬を岐阜県原産の日本犬の一種で、天然記念物にも指定されている希少犬種としています。

いまは飼われている数が少なく、保存会がつくられ、繁殖と保護の活動で血統が受けつがれています。

戦争で減った柴犬は、戦後に立ち直った

AKCの解説によると、柴犬は第2次世界大戦でほぼ全滅しましたが、戦後に立ち直りました。

保存会によると、戦争ではたくさんの日本犬が命をうしないました。

AKCの解説では、柴犬の多くは戦争中の空襲か、戦争のあとのジステンパー(犬の感染症)で命をおとしています。

保存会の活動も、終戦の前から戦後3〜4年ほどは、おもだったものが見られなかったとされます。

AKCの解説では、生きのこった柴犬の多くは信州のタイプで、美濃や山陰の柴犬はわずかだったとされます。

やがて「中号」という犬が、戦後の柴犬の中興の祖(ふたたび勢いを取りもどすもとになった存在)と呼ばれるようになりました。

「号」は、犬の名前の後ろにつける呼び方です。

いまの柴犬の父親の血筋をたどると、石号に行き着く

保存会の解説(2026年10月時点)によると、年間3万頭ほど登録される柴犬は、父親の側の血筋をさかのぼると「石号」に行き着きます。

石号は、中号のひいおじいさんにあたる犬です。

柴犬とおでかけするなら、お店の大きさの条件を見ておく

柴犬とおでかけするなら、お店ごとの大きさの条件を先に見ておきましょう。

柴犬は日本犬標準では小型ですが、オスの体重は9〜11kg位あります。

お店の「小型犬」「中型犬」の分け方は、お店ごとにちがうことがあります。

イヌコミの店舗ページの「ワンちゃんルール」欄で大きさの条件を見て、わからなければ予約のときに聞いておきましょう。

聞き方は、予約前に聞く5つのことのコラムにまとめています。

条件に合うお店は、小型犬と入れるお店や中型犬と入れるお店からさがせます。

散歩のついでに寄るなら、公園の近くのお店も候補です。

犬のからだのしくみは、クイズ「からだのしくみ検定 入門」でたしかめられます。

愛犬に合うお店の選び方は「愛犬タイプ別 お店えらび診断 入門」でさがしてみてください。

イヌコミでお店をさがす

この記事に出てきたような場面に合うお店を、条件からさがしてみてください。

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よくある質問

柴犬がアメリカに渡ったのは、いつごろですか

AKC(アメリカンケネルクラブ)の解説では、柴犬がアメリカに初めて来たのは1950年代とされています。AKC が柴犬を犬種として公認したのは1992年で、AKC の136番目の犬種です。

日本犬標準では、柴犬にどんな性質が求められていますか

日本犬標準は、悍威(気迫と威厳)・良性(忠実で従順)・素朴(飾り気のない地味な気品と風格)を、日本犬が生まれながらに持つ根本的な性質としています。柴犬の解説では、すなおで従順、素朴でありながら気品も備えているとされます。

四国犬は、なぜ天然記念物に指定されたときと呼び名がちがうのですか

日本犬保存会によると、四国犬は1937年に「土佐犬」の呼び名で国の天然記念物に指定されました。「土佐闘犬」とまぎらわしいことと、ほかの県にもいたことから、1939年ごろから四国犬と呼ばれるようになりました。

出典・参考文献

  1. 文化庁(文化遺産オンライン)『柴犬 しばいぬ(文化遺産データベース)』(閲覧日 2026-10-16)
  2. 文化庁(国指定文化財等データベース)『柴犬』(閲覧日 2026-10-16)
  3. 文化庁(国指定文化財等データベース)『秋田犬』(閲覧日 2026-10-16)
  4. 文化庁(文化遺産オンライン)『甲斐犬 かいけん(文化遺産データベース)』(閲覧日 2026-10-16)
  5. 文化庁(文化遺産オンライン)『紀州犬 きしゅうけん(文化遺産データベース)』(閲覧日 2026-10-16)
  6. 文化庁(文化遺産オンライン)『越の犬 こしのいぬ(文化遺産データベース)』(閲覧日 2026-10-16)
  7. 文化庁『記念物』(閲覧日 2026-10-16)
  8. 三重県『紀州犬(きしゅうけん)』(閲覧日 2026-10-16)
  9. 岐阜県(高校教育課)『美濃柴犬研究班の活動の書籍化について教育長に報告します(令和8年6月29日発表)』(閲覧日 2026-10-16)
  10. 公益社団法人 日本犬保存会『柴犬』(閲覧日 2026-10-16)
  11. 公益社団法人 日本犬保存会『日本犬の歴史(柴犬の歴史)』(閲覧日 2026-10-16)
  12. 公益社団法人 日本犬保存会『日本犬保存会とは』(閲覧日 2026-10-16)
  13. 公益社団法人 日本犬保存会『日本犬標準の解説』(閲覧日 2026-10-16)
  14. 公益社団法人 日本犬保存会『四国犬』(閲覧日 2026-10-16)
  15. アメリカンケネルクラブ(AKC)『Facts About the Shiba Inu That You May Not Know』(閲覧日 2026-10-16)
  16. アメリカンケネルクラブ(AKC)『Shiba Inu History: Where this Japanese Breed Originated』(閲覧日 2026-10-16)

記事の内容は公開時点の情報にもとづきます。制度や数値は変わることがあるため、最新の情報は各出典でご確認ください。

健康情報に関するご注意

本コンテンツは一般的な情報提供を目的としたものであり、獣医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。愛犬の健康に不安があるときや異変を感じたときは、動物病院・獣医師にご相談ください。

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